”ちょうどええ”おかやま農業体験ツアーを実施いたしました。ここでは農業体験ツアーの様子や、参加者のご感想をお伝えさせていただきます。

事前のお打合せ

お打ち合わせはモニターツアー催行日の1ヶ月前よりオンライン、メールでやり取りをさせて頂きました。参加人数は大人4名、乳幼児2名の小グループで、「ぶどうの収穫がしたい」、「 ぶどうのことを学びたい」、「 おいしいものが食べたい」というご要望を頂きました。

ぶどうの収穫にはギリギリの時期(ぶどうの収穫時期は、8月下旬〜10月中・下旬)ということもあり、ツアーは10月上旬で調整させて頂きました。この時期はまだ残暑が厳しい為、気温が上がる前の10時から作業開始するスタンダードコース(4時間)で、収穫体験・ぶどうのお世話体験・ランチをご提案させて頂きました。幸いなことに岡山でも高品質のぶどうを栽培されているフルーツ農園が受け入れて下さることになり、「高級ぶどう狩り」を体験して頂くことができました。

また、おいしい料理を食べたいというご要望に、農園で田畑を眺めながら、雄大な自然に囲まれた環境で、その日収穫した果物を、一番おいしい状態で召し上がって頂けないか…と農園でのフルコースランチをご用意させて頂きました。就学前のお子様にはフルコースは量が多いため、少量のランチプレートをご用意し、アレルギー情報、嗜好などの細かなご相談も事前にお伺いさせて頂きましたので、ご安心頂けたようでした。

今回の体験内容

当日の天候は曇り時々晴れ、「晴れの国・岡山」らしく曇天でも、時々太陽が顔を出すような、農作業にはうってつけの空模様でした。気温もやや冷涼で、作業に集中していると少し汗ばむ程度の、ベストシーズンでした。今回は体験して頂いた内容の一部をご紹介させていただきます。

※体験内容の一部は「”ちょうどええ”おかやま農業体験・農園アクティビティー・レポート」でもご紹介させて頂いております。

ツアー当日のスケジュール

10:00〜ぶどうの話
10:15農園内のご案内
10:30ドラゴンフルーツ収穫
11:00〜ぶどう収穫
11:30〜ぶどうの枯れ葉おとし作業
12:00〜収穫フルーツを使ったコースランチ
14:00解散

ドラゴンフルーツ収穫

ドラゴンフルーツはメキシコやエクアドルなどの中南米原産のサボテン科のフルーツです。現在は東南アジアや中国、アメリカ、オーストラリアなど様々な国で栽培されていますが、日本ではまだまだ珍しく、実際に果実がサボテンにくっついているところをご覧になった方は少ないのではないでしょうか。

今回は、岡山で唯一ドラゴンフルーツを栽培されている農園にて、完熟のタイミングと重なったこともあり、収穫体験をして頂きました。

ドラゴンフルーツは寒さに弱く、年間を通してハウスで温度管理を行っています。山間部に広がるぶどう畑の間にひときわ大きなハウスが建っており、外から覗くと緑色ですだれのような縦縞模様に伸びたサボテンがうっすらと目に入ってきます。少々異様な雰囲気を漂わせているそのハウスこそが、ドラゴンフルーツを生育している「DRAGONFRUITS HOUSE」です。

ハウスの入り口をくぐった瞬間、亜熱帯の温かくもわっとした空気が漂い、急に別世界にきたような感覚になります。入り口からまっすぐ伸びる通路の両サイドに、大人の背丈をこえる高さまで成長した細長いサボテンが整然と並んでおり、この眺めを初めてご覧になった参加者様は「凄い!」「へー、こんなに大きいんだ!」と、まずはそのサイズ感に感嘆の声を漏らされていました。

小さいお子様も喜んで観察されていましたが、ドラゴンフルーツのサボテンには棘(とげ)があります。安全に楽しんで頂く為に、農業体験は必ず長袖長ズボンをご用意くださいね。

ドラゴンフルーツは棒状に長く伸びたサボテンの表面にぽこっとくっつくように赤い実をつけています。この実の表面がまるで「竜のウロコ」のように見える為、ドラゴンフルーツと日本では呼ばれるようになったようです。

収穫する際はドラゴンフルーツとサボテンの表面の間にあるわずかな隙間にハサミを入れ、切り落としていきます。生産者の丁寧な説明と指導のもと、棘にも細心の注意を払いながら、少々緊張感のある収穫体験をして頂きました。お子様の力でもコツさえ掴めば上手に収穫できました。一つ穫れると面白くなるようで、「もう一つ穫りたい!」と目を輝かせておられたのがとても印象的でした。

純粋に楽しいと思える感覚は大人になると減っていくものですが、子どもが喜んでいる姿を見ることで、新しい発見をした時のワクワクする感覚を思い出せたような気がします。きっと、大人の皆様も何か感じるところがあったのではないかなと思います。 この日、収穫したドラゴンフルーツは、一番美味しい状態で召し上がって頂くため、シェフに特別に調理を依頼しました。ランチコースのどこかで出てくる予定ですが…そこはランチタイムのお楽しみに。ということで、参加者様には次の農業体験にうつっていただきました。

ぶどうの収穫・枯れ葉おとし作業

「DRAGONFRUITS HOUSE」の斜め向かいには、さらに大きなハウスがあります。こちらの農園最大の規模を誇るハウスではシャインマスカットなどのマスカットやぶどうを栽培しています。テニスコート4面はすっぽり収まるほど面積ですが、天井は完全にぶどうの葉で覆われており、その隙間から太陽の光が差し込んでいました。そのスケールと美しさに思わず感嘆の声が上がるほどでした。

この日はちょうど成熟した、かぐやひめ(※1)と紫苑(※2)という品種のぶどうを収穫して頂きました。しっかりと実った果実は大人の頭の高さにまで垂れ下がっており、頭上にも足元にも注意しながらの収穫作業でした。顔のサイズをこえるほどの大きな房もあれば、成長の途中で病気にかかかり腐食してしまう房もあります。生産者から美味しいぶどうの見分け方の指導も受けながら、数ある房の中から気に入ったぶどうを探すのも、宝探しのようで大人も子供も真剣に楽しんでおられるご様子でした。

(※1)かぐや姫…ルーベル・マスカットという名称でも知られている希少品種の赤ぶどう。語源である赤い宝石「ルビー」の通り、鮮やかな赤色をしている。甘みが強く奥行きの深い味が特徴。

(※2)紫苑(しえん)…岡山県でしか栽培されていない赤系ぶどうの一種。ほとんど市場に出ることのない珍しい品種。赤紫色で縦長の大粒の実をつける。種はなく、強い甘みと果汁の多さが特徴。

今回、農業体験させて頂いた農園では約30種類のぶどうを栽培しています。種類によって収穫時期が異なりますが、10月中旬になると、主要なぶどうはほぼ収穫を終えて翌年にむけて土や樹のメンテナンスをはじめる時期になります。

収穫を終えたぶどうの樹は葉が枯れ落ちて、冬には枝だけが残ります。そこで、今回は大量の枯れ葉を樹から落として、集めるという枯れ葉落とし作業を体験させて頂くことになりました。掌よりひとまわり程大きい枯れたぶどうの葉は、付け根の部分を軽く触るとぽろっと簡単に樹から剥がれます。広々としたハウスの中から枯れ葉を見つけてはぽろっと落とし、見つけては落とし、という単純作業を繰り返していくと、少しずつ光が差し込む隙間が増えてきます。単純な作業ですが緑色の葉だけが残り、少しずつ変化が出ていく過程が面白く、「ずっと上向いていたから首が疲れた!」と、つい作業に夢中になっておられるようでした。

首が疲れてきたら役割を交代していただきます。落とした葉を熊手で一箇所に集め回収するのですが、この作業も「小学校以来だ、懐かしい!」といった思い出話から「初めて熊手を触りました」という話もしてくださいました。お子様も夢中になって集めてくれたので、袋に詰めると持ち上げるのがやっとという位の量の枯れ葉が集まりました。

作業の結果が見えると達成感は一層感じられるものですね。そろそろお時間ですよ、とお伝えしてもなかなか熊手が手放せない方もおられました。ぜひ、次回は即戦力として農園にお越しくださいね。

この作業を繰り返し、完全に葉が落ちた段階で長梢剪定(ちょうしょうせんてい)という枝を根本から切り落とす作業を行っていきます。これを行うことで、そこから伸びようとする若い枝が成長し、翌年に良いぶどうを実らせるとのことでした。一つ一つの作業は全て来年に向けた大切な下準備です。今回はその一部を体験して頂きましたが、ぜひこの後のぶどうの成長も見届けて頂きたいなと思っております。

収穫フルーツを使ったコースランチ

収穫から樹のお世話まで体験をして頂いた後は、メイン企画でもあるコースランチを楽しんで頂きました。

今回は、おいしい料理を食べたいというご要望に、農園で田畑を眺めながら、雄大な自然に囲まれた環境で、その日収穫した果物を、一番おいしい状態で召し上がって頂けないか…と農園でのフルコースランチをご用意させて頂きました。

この日のランチは岡山の食材をふんだんに使った、イタリアンのコースでした。前菜のサラダには農園で収穫されたマスカットが添えられており、先程枯れ葉集めをした風景を思い起こしながら堪能して頂きました。

今回は小さなお子様もおられる為、目の行き届くハウス内のカフェスペースを準備させて頂きましたが、ゆっくりと自然を満喫しながら、青空の下でカジュアルにコースランチを楽しんで頂くこともできます。

前菜の他にも、牛窓産のマッシュルームをつかったクリームスープや、イカ墨を練り込んだバンズに柿を挟んだ、見た目にも味にもインパクトのあるバーガー、本格的なカルボナーラ、メインの和牛ステーキとボリュームのある料理に皆様にはとても満足して頂いたようでした。味も好評で、「とても美味しかったです」とご感想を頂いております。

身体を動かした後の食事は格別ですが、その上、自分達の手で農園から収穫してきたフルーツが食材として使われているのは、何とも言えない喜びがあるものではないでしょうか。

岡山でとれた食材を岡山で焼いた食器をつかって、岡山の環境に触れながら五感で楽しんで頂くことは他では味わえない特別な体験になることでしょう。

参加者からのご感想

今回のモニターツアーは2種類のフルーツ収穫と、作業体験、コース料理というプランでご用意させて頂きました。4時間という限られた時間ではありましたが、様々な体験をし学びを得て頂き、お見送りの際には「また来たいです。」とすっかり農園のファンになって頂いたようでした。

最後に頂いたご感想を一部ご紹介させていただきます。

  • 「さまざまな種類のぶどうを見学できて、その中から好きなものを選んで収穫する過程が楽しかったです。」
  • 「枯れ葉を落とす作業はつい夢中になってしまいました。ぶどうの葉を間近で見て触る機会は初めてだったので、興味深くもあり楽しい作業体験でした。」
  • 「ドラゴンフルーツを栽培しているところを初めて見学しました。サボテンの実ということや、一晩だけ一斉に開花することなど詳しい説明も聞けて、学びもあったのが良かったです。」
  • 「ランチのサラダにぶどうを使ってくれたり、デザートプレートにドラゴンフルーツを付けてくれたり、新鮮なフルーツに感動しました。料理は全部美味しかったです!」

農園の方も喜んで帰られた参加者様の声に「そう言ってもらえるのが一番嬉しいんです。」と笑顔で最後まで手を振っておられました。関わられた方全員が笑顔になれる”ちょうどええ”おかやま農業体験にぜひご参加いただき、特別な思い出をつくって頂けたら幸いです。

”ちょうどええ”おかやま農業体験をおすすめしたい方

”ちょうどええ”おかやま農業体験は、

  • 美味しいフルーツを一番美味しい状態で食べてみたい。
  • 農業に興味がある。まずは気軽に体験してみたい。
  • スポーツは苦手だけど身体を動かしたい。
  • リタイア後の生きがいを見つけたい。
  • ディープな岡山を感じたい。
  • 土に触れてデジタルデトックスをしたい。

という希望を持たれている全ての年代の方にお勧めいたします。作物の育成過程や作業の創意工夫を生産者から直接お話を聴くことで、新たな発見や生産者の想いを感じとって頂けることは、フルーツ狩りだけでは得られない貴重な経験になります。また、”ちょうどええ”おかやま農業体験は、農業の大変さや難しさを学ぶ場ではなく、作業を通して程よい疲労感を得て達成感、心身のリラックス、ストレス軽減を体験して頂くことを大切にしています。この農業体験を終えたあと心身ともに”ちょうどええ”状態を感じて頂き、岡山で過ごす時間を有意義なものにして頂けたら幸いです。

申込みから当日までの流れ(受注型企画旅行)

ヒアリング

  • ご旅行プランにどのように組み込むか(場所・時間・コース・体験内容など)
  • 食事を希望される場合はご要望(アレルギー情報・ジャンル・食事形式など)
  • その他特別なご配慮の有無など、農業体験で何をやってみたいのか、ご希望をお聞きします。

プランニング(企画提案)

  • ご提案させて頂いたプランをご確認いただきます。内容の変更などがございましたらこのタイミングでお聞かせください。

※収穫できる品種、体験できる作業内容など作物や天候の状態によって変更させて頂く可能性がございます。

ご契約

  • 契約内容のご説明(お支払い・キャンセル規定など)をさせていただきます。プランが確定した段階でご契約となります。

ツアー当日

  • 服装、持ち物など注意事項を事前にお伝えさせていただきますので、安全に楽しんで頂く為に、ご準備をお願いいたします。