愛情と労力をそそぐ国産コーヒー栽培

日本のエーゲ海と呼ばれる岡山県瀬戸内市の牛窓で、循環型の温室栽培に取り組まれている農園を見学させて頂きました。コーヒー農園を始め、こちらで伺ったお話をご紹介させて頂きます。

安心・安全・高品質のバナナを始めとして、日本では珍しい温室栽培の作物を生産されています。今回、特に紹介して頂いたのが「国産コーヒー」。

コーヒーは、東アフリカの国・エチオピアが原産の植物です。代表的な生産国といえばブラジルやコロンビア、ベトナムやインドネシアといった赤道に近いところで生産される農作物です。標高が高い地域のものは味わいも洗練されやすい傾向があり、国ごとの土壌や気候の違いが風味に影響をもたらす、興味深い農作物。

一方、瀬戸内は温暖な気候とはいえ、1日の気温差は他国にくらべてゆるやか。雨季と乾季も明確には存在しない環境に頭を悩ませるといいます。国内ではコーヒー生産の歴史も非常に浅く、知識と経験が少ない中で日々奮闘されておられました。

綺麗に整えられたコーヒーの木

農園に足を踏み入れると、ズラッと並んだコーヒーの木が顔をみせてくれました。樹高は約2mはあるかというコーヒーの木。数年前ハウス内に植替えをされ、グングンと育ってくれたようです。

驚くことに、完全無農薬!食の安全を大切にされた方針のもと、手間ひまをかけて管理されておられました。
お話の中で印象的だったのは害虫との戦い。国内栽培で特に悩ましい点とされています。
湿度が高くなると大量発生につながるリスクが高くなるため、とにかく風通しに気を配ったり、剪定(不要な葉や枝を切る作業)を欠かさず行ったり、日々環境整備に尽力されているそうです。

すべての木の剪定が終わったころには、最初に手掛けた木からもう次の枝が生えてしまうそう。木が元気に光合成をおこなっている証拠でもありますが、生産者側からすれば大変な労力が必要です。

冬~春先の収穫期には手摘みで完熟のものを選別して、新鮮なまま加工しておられます。国産の最大の魅力はこの「鮮度」でもありますね。

収穫・加工された牛窓産コーヒーは、こちらのカフェ等で提供されるお菓子のサブレに使われているそうです。(取材当時)次の収穫期も楽しみですね。

循環型社会をめざして

持続可能なシステムを目指し、廃材をリサイクルしてハウスに排熱を供給する「エネルギー循環型」を採用されていました。グループ企業の建築解体工事などで生じた廃木材を集めて燃焼させ、その熱でハウス内や利用する水を温めているそうです。

見学させて頂いた施設の中で、手長エビの釣り堀エリアがありました。こちらも、上記のエネルギーを再利用させて水温を管理しているそうです。今後はこちらのエビも施設のレストランで味わえるように計画中とのこと!

新しいサービスの開発に皆さんで取り組まれている印象を受けました。