海から現れた不思議な観音様
新岡山港の近くから海沿いへ進むと、海の上に浮かんでいるようなお堂が現れます。潮風が心地よく通るこの場所には、海から引き揚げられたという珍しい観音様がいらっしゃるとのこと。
祀られているのは横樋観音(よこひかんのん)様。比較的まだ新しく、1982年に新しく建立されました。
訪れた人々の体の痛みや不調が治ったことから、評判が評判を呼び、当時から多くの人々がご利益を求めやってきたというのです。
瀬戸内海をそばに感じるお堂
海にかかる橋を渡ると本堂がみえてきました。児島湖から瀬戸内海への流れに位置しており、穏やかな水面には多様な水鳥が泳いだり羽を休めたりしています。蝉の鳴き声が響く真夏に訪れましたが、水辺だからでしょうか、涼しく感じます。
観音とは「観世音菩薩(かんぜおんぼさつ)」を指し、人々の苦しみを取り除いたりお願いごとを聞いたりしてくれる慈悲深い仏様のことを指します。手を清めて、いざ参拝です。
横樋観音の伝説
横樋観音には神秘的な云われがあります。
40年以上前のこと。小学生がこの近くの海岸で釣りをしていると、波打ち際で観音様がうちあがっているのをみつけたそうです。その発見がきっかけで翌年正式に開眼供養をしたのですが、儀式の間は雨が止んだとのこと。
また、訪れる人々の体の痛みを除いてくれたご利益から、全国から参拝される方が絶えませんでした。
本堂には、観音様が触れたとされる石が祀られていました。この石を撫でて、そのあと体の不調がある場所を撫でるとご利益を感じられるそうです。お参りをしている間も、地域の方々が参拝に来られていました。
合掌礼拝して外へ出ると、吹き流しが元気に泳いでいました。風のある日も非常に絵になる一瞬です。
毎年9月18日は観音様が海からあがられた日として秋大祭が行われます。
また、毎月18日は護摩法事が営まれるとのこと。専用の炉で火を焚き、その炎に供物をささげて御祈願をする(願い事が叶うように祈る)法要です。
看板猫ちゃんもお迎えしてくれますので、ぜひ訪れてみてください。