
ミステリーテーマ「日本古来の信仰〜自然崇拝〜八百万の神探し」
遥か昔、日本人は自然の中に神々を見ていました。
今から約1500年前、仏教が伝来するまで、日本人は自然の中に八百万の神々が宿ると考え、自然を崇拝していました。
海、川、山、岩、樹木、そして雨や風といった自然現象
さらにはそれぞれの土地にも神が宿っていると信じられていました。
自然は、畏怖の対象であると同時に、
恵みをもたらす存在として、
人々に敬意と畏怖の念を抱かせていました。
「自然と共に生きる」
「自然と調和する」
この思想は、日本人の精神性の根幹を形作り、現代にまで受け継がれています。
岡山県の吉備の中山には、古代の人々が自然を崇拝していた痕跡が数多く残されています。
雨乞いの儀式が行われたとされる「ダイボーの足跡」
神を下ろす装置として使われた「イワクラ」
資料に掲載されているものから、未だ解明されていないものまで、様々なスポットが存在します。
吉備の中山を歩きながら、これらの形跡を探してみてください。
「なぜ、ここで雨乞いの儀式が行われたのだろう?」
「この岩には、どんな意味があるのだろう?」
想像力を掻き立て、古代の人々の思考に触れることで、日本人が大切にしてきた思想を、
きっと再発見できるでしょう。
歴史ミステリートレイルウォークとは
「歴史ミステリートレイルウォーク」は、歴史ミステリーをテーマとしたコンセプトウォークです。
日本の美しい自然を満喫しながら、歴史ロマンや文化に触れることができる、新感覚ツアーです。
トレイルコースを歩きながら、歴史の痕跡を探し、ガイドから謎解きのヒントをゲット!
自然の中で五感を研ぎ澄まし、歴史の真実を想像してみましょう。
参加者同士で意見交換をしながら、真実を探ってみると、新しい発見があることでしょう。
歴史ミステリートレイルウォークは、あなたをワクワクドキドキの冒険へと誘います。
吉備の中山編の運動レベル:★★★★☆
歴史ミステリートレイルウォークと運動レベルについて、詳しくは詳細をご覧ください。
※歴史ミステリートレイルウォークは、8月〜9月は催行しておりません。
吉備の中山を登る
悠久の歴史を物語る、歌にも詠まれた神奈備・吉備の中山
岡山市の中心地からやや西側に吉備の中山(きびのなかやま)はあります。
吉備の中山は古代の祭祀跡である磐座(いわくら)群が数多く発見されていることから、古来より神聖な山として崇められてきた神奈備山(かんなびやま)として信仰の対象とされてきました。
また、吉備の中山には日本最古の前方後円墳ではないかと言われている矢藤治山(やとうじやま)古墳をはじめ、30を超える古墳が発見されています。これらの古墳は、古代吉備の繁栄を物語る貴重な遺産であり、当時の文化や技術を知る上で重要な手がかりとなっています。
奈良時代になると「万葉集」、そして平安時代には「古今集」「枕草子」など、数々の古典にその名が登場し、古くから京都と九州を結ぶ交通の要所として、多くの旅人に親しまれてきました。その美しい風景は、時代を超えて人々の心を捉え、歌に詠み継がれてきたのです。
この地は、歴史と文化が色濃く残る神聖な場所として、これまで多くの人々から親しまれ、現在も岡山の人々によって守られています。
歴史ミステリートレイルウォークの出発点・吉備津彦神社
歴史ミステリートレイルウォークに出発する前に、まずはスタート地点である吉備津彦神社へ参拝し、旅の安全を祈願しましょう。
吉備の中山の山裾に鎮座する吉備津彦神社は、大変歴史のある神社です。 大化の改新後、吉備国が備前国と備中国に分割された際、こちらは備前国の一宮として、多くの人々から崇敬を集めてきました。
御祭神は、桃太郎伝説のモデルとなったとも言われる大吉備津彦命(おおきびつひこのみこと)です。
吉備津彦神社は、背後にそびえる吉備の中山を神体山としており、神社の起源もまた、中山の古代信仰に由来すると伝えられています。
また、吉備の中山の反対側の山裾には、備中国一宮である吉備津神社が鎮座しています。同じ山を神体山に、二つの国の一宮が隣接して存在する場所は他になく、古代より吉備の中山が神聖な山として、この地において重要な役割を担ってきたことを物語っています。
吉備津彦神社にて、いにしえの歴史に思いを馳せ、中山への登山口へと向かいます。



忠魂碑の土台が実は…
吉備津彦神社の神体山は、背後にそびえる吉備の中山です。 現在の本殿は、1668年に岡山藩主・池田光政公によって建てられたものですが、それ以前の社殿は別の場所、現在の登山口付近にある忠魂碑あたりに鎮座していました。
古社の特徴として、本殿の背後に磐座(いわくら)を置くことが挙げられます。
かつての吉備津彦神社の磐座は、その役割を終え、現在の忠魂碑の台石となっているのです。 大正3年に忠魂碑を建立する際、現在の位置に移動させ造成されましたが、この辺りに当時の瓦が発見されたことからも、ここに本殿があったことが伺えます。
龍の力を借りて雨を乞う

登山口から山頂の八大龍王の祠まで30分ほどで到着します。そこに至るまでの道中には、備前国と備中国の境目を分ける国境石があり、まるでタイムスリップしたかのような旅情を誘います。
二つの国境を越え、山頂へと続く道中、「当時の旅人たちもこの道を歩いていたのかな?」「どんな景色だったんだろう」と想像力を膨らませながら遊歩道を進んでいきます。
この八大龍王の祠が鎮座する場所からは、遠くには瀬戸内海の島々が、また金甲山の山頂も望むことができます。かつてはこの場所から狼煙を上げて、情報をやり取りしていたという記録も残っており、古代の人々の生活を垣間見ることができます。
八大龍王は古代の人々によって雨乞いのために祀られた祠であり、かつての自然信仰の跡を今に伝えています。中国で龍は雨を降らせる力を持つと言われ古くから信仰の対象とされてきました。日本には、仏教の伝来とともに龍が信仰されるようになり、雨乞いの対象となりました。
自然信仰では、自然の中に神々が宿ると考え、雨や水の恵みを何よりも大切にしていました。現代でも、農業や生活において水が不可欠であることは変わりません。龍はまさに水神であり、人々の切実な願いが込められた存在なのです。眼下には瀬戸内の美しい風景が広がり、いにしえの人々が、この場所で神々に祈りを捧げ、恵みに感謝していたと想像が膨らみます。



天にも届く巨大岩
山頂から少し入り組んだ小道を抜けると、目の前に突如として「天柱」と刻まれた巨大な岩が出現します。



目の前に現れた天柱岩は、まさに圧巻の一言。天を衝くような巨岩は、まるで神話の世界から飛び出してきたかのようです。見上げれば、天を支えるかのようにそびえ立つ巨岩。そして眼下には遠くまで見渡せる町並みが広がっています。かつて、この辺り一帯まで瀬戸内の海が広がっていたことを想像すると、自然がもつの圧倒的な存在感に、言葉を失ってしまいます。
この巨岩は、ただの岩ではありません。鎌倉時代の祭事に用いられた土師器が出土したことから、古代の人々が神聖な場所として崇拝した「磐座」であることは間違いありません。
古代の人々は、この巨岩に、どのような祈りを捧げたのでしょうか?
当時の人々にとって、この場所は、天と繋がる特別な場所だったに違いありません。天柱岩を訪れた時、我々は、まるでタイムスリップしたかのような、不思議な感覚に包まれました。
“だいだらぼっち”が残した足跡

鬱蒼とした山道を抜け、視界が開けた瞬間、目の前に現れたのは、まるで巨大な池の跡のような、不思議なくぼ地でした。
「…ここは何?」
そう呟かずにはいられない、神秘的な光景。
ここはダイボーの足跡と呼ばれる場所です。ダイボーとは、日本各地に伝わる巨人の伝承です。だいだらぼっちとも呼ばれ、山や湖を作ったという伝説が残っています。
だいだらぼっちとは、日本各地に伝わる巨人伝説の総称です。その姿は、山のように大きく、大地を踏みしめる足跡は、池や湖になったと言われています。ダイダラボッチは、地域によって、デイラボッチ、ダイラボウなど、様々な呼び名があります。
目の前のくぼ地は、まさに巨人の足跡と呼ぶにふさわしい、想像を絶する大きさでした。
しかし、このくぼ地は自然にできたものではなく、古代の人々が、何らかの目的で掘ったものと言われています。一説にはこの場所で、水の祭祀が行われていた可能性もあるそうです。
そう考えると、目の前のくぼ地が、古代の神秘的な儀式の舞台だったような気がして、胸が熱くなりました。ダイボーの足跡に立った時、我々は、悠久の歴史と、自然の神秘に包まれたような、不思議な感覚に襲われました。
古代の人々は鏡に何を映し見た?
吉備の中山歴史ミステリートレイルウォークも終盤に差し掛かった時、目の前に突如として現れた巨大な岩。それが、旅のハイライトとも言える「鏡岩」でした。

高さ3メートルを超える巨石は、かつて鏡のように磨かれていたことから、その名がついたそうです。目の前に立つと、その圧倒的な存在感に、言葉を失ってしまいます。
この巨石の下から祭祀の跡である土器の破片などが出土していることから、ここも「磐座」であったことが分かっています。
この日、鏡岩の背後から太陽の光が差し込み、まるで神が降臨したかのような、神秘的な光景が広がりました。
磐座は天文とも関係が深いことが分かっており、古代の人々がこの鏡岩をどのように活用していたのか、想像するだけで心が躍ります。参加者からは、「とてもパワーを感じる岩だ」という声が上がり、岩の前でエネルギー補給をしようと、横たわってみる人もいました。
鏡岩に触れた時、体中にエネルギーが満ち溢れるような、不思議な感覚に包まれます。鏡岩は、古代の神秘と、自然の力が融合した、まさにパワースポットです。


帰り道、中山を下山すると備中国一宮・吉備津神社に降りてきます。文字通り、一山超えた仲間たちと帰路につき、古来の日本人のあり方や、自然の神秘について語り合いながら吉備津彦神社へと向かいました。途中、天柱岩を見上げながら「すごい場所まで行ってたんだね」と、登山の達成感にも浸りました。
モニター参加者の声
- 他ではなかなか体験できないツアーでした。日本人にもぜひ参加してもらいたいです。
- トレイルの途中でピクニックができたのが楽しかった。山の中で頂くおにぎりはやっぱり最高でした。
- 山道を皆で歩きながら色々な話をする中で、新しいものの見方ができるようになりました。学びと気付きの多いツアーだったように思います。
関連するSDGs
この商品は下記のSDGsに対応しています。


申し込みから当日までの流れ
催行条件
・人数:1グループあたり最大8名様(グループ単位で受け付けております)
・最少催行人数:3名
・集合場所:JR吉備線(桃太郎線)・備前一宮駅
・旅程(予定):JR備前一宮駅集合 ⇛ 10:00~吉備津彦神社参拝 ⇛10:30~吉備の中山トレイルウォーク(滞在時間約4時間00分) ※途中昼食休憩あり ⇛ JR備前一宮駅解散
※JRのダイヤ、季節、天候によって変動します。正確な旅程はお問い合わせ時にお知らせいたします。
参加費
・お1人様22,000円(税込)(3名様以上。2名様以下の場合は別途御見積いたします。)
・参加費に含まれるもの:ガイド料、昼食・コーヒーブレイク、旅行保険
お申し込み
サービスに関するQ&A
- 言語対応は可能ですか?
- 言語通訳は料金に含まれておりませんが、下記の対応を行っております。
(1)通訳の手配(別途料金)
(2)スマホアプリ等による音声通訳対応 - キャンセル規定はありますか?
- ご入金後のキャンセルにつきましては、キャンセル料が発生する場合がございます。詳しくは弊社旅行業約款をご参照ください。
- 小さい子供やシニアでも参加はできますか?
- 年齢に制限は設けておりませんが、吉備の中山の山中にはお手洗いの設備がないことをご留意ください。(途中1箇所ご案内ます)
- 予約後の人数変更はできますか?
- 参加人数が減る場合は、キャンセル料が発生する場合がございます。
- どのような服装で参加したら良いですか?
- トレイルコースは基本的に山道のため、アップダウンや一部足元の悪い場所がございます。歩きやすい靴(トレッキングシューズ、運動靴を推奨)、リュックサック、日よけの帽子、必要な方はトレッキングポールをお勧めいたします。
- 雨天の場合は中止ですか?
- 雨天でも決行しますが、安全面を考慮し、食事や休憩場所など一部ツアー内容を変更させて頂く場合がございます。
※大雨や暴風などの警報が発令される可能性がある場合は状況を見て催行の判断いたします。 - 食事はリクエストできますか?
- ご要望はお伺いします。基本的にコースの途中でピクニックを楽しんで頂くために、持ち運びしやすいおにぎりとスイーツのセットをご提供しています。
※全て、7大アレルゲンフリー(エビ・カニ・小麦・そば・卵・乳・落花生)の食材となっています。その他のアレルギーや宗教上のご事情がある場合は、お申し込みの際にお知らせください。